慰安婦写真作家・安世鴻氏招請懇談会
財団は、8月10日(金、16:00〜18:00)小会議室で「重重プロジェクト」を手がけている安世鴻作家を招請して懇談会を行った。
「慰安婦」写真作家安世鴻氏は、6月に東京ニコンサロンで開催する予定だった慰安婦写真展を、日本右翼勢力の圧迫で一方的に中止通告を受けたが、結局東京地裁の判決で開催を実現させた。安氏は、朝鮮から慰安婦として連行され、故郷にも帰れず中国に残された元慰安婦の方々の深い皺が幾重にも刻まれた顔を、時間をかけて着々とモノクロフィルムに収めてきた。
この日の懇談会で安氏は、2001年から2005年まで7回にわたって中国に渡って元慰安婦の方々を訪ね歩き、カメラに収めるまでの過程について紹介した。撮影当時は生きていた元慰安婦の方々のうち多数の方々がなくなっているとか、未だに故郷に帰れず昔の慰安所から1キロメートルしか離れていないところで暮し続けている場合もあると記憶を思い浮べた。
さらに、「重重(幾重にも)プロジェクト」を企画することになった理由について、次のように説明した。「元慰安婦の方々の幾重にも刻まれた深い皺から、70年余りに渡ってずっと溜っている蟠りと悲しみを垣間見たようで、微力ながらも小さな力を集めて大きな声を出すようにすべきであることに気づいた。」そして、「日本で活動しながら、被害を受けた方々に対する心からの日本の謝罪を受け、早急に『慰安婦』問題を解決するため、志を同じくする方々の参加を待ちつつ、今日も『歴史』を撮っている。」とした。彼は、だからこそ、プロジェクトに対するより多くの関心と暖かい支援が必要であると強調した。
重重プロジェクトのウェブサイト http://juju-project.net



